会長退任のご挨拶

大橋秀雄(工学院大学理事長)
2009年7月1日

写真:大橋秀雄会長(工学院大学理事長)

2009年6月30日に開催されたJABEE臨時社員総会をもって会長の職を退任いたしました。2005年、吉川弘之創立会長のあとを承けて就任し、2期4年にわたって二代目の会長を務めさせていただきました。

その間、学士課程の技術者教育プログラムの認定を普及、拡大させることに主力を注ぐかたわら、大学院修士課程プログラムの認定開始、UNESCO/UIA準拠の建築家プログラム(修士、学士課程一体型)の認定開始、ソウル協定準拠の情報科学分野の試行的認定開始、専門職大学院(産業技術分野)の認証評価を行うための準備な ど、新しい分野への取り組みも積極的に進めてきました。さらに、設立以来の懸案だったJABEE自身の法人化問題については、公益法人制度の改正にあわせ て本年4月1日付けで一般社団法人としての登記を完了しました。また国際的には、アジアにおける技術者教育の質向上に寄与するためアジア技術者教育認定機 関ネットワーク(NABEEA)の設立役を果たし、本年6月には隔年に開催されるInternational Engineering Meeting 2009(ワシントン協定など六つの相互承認枠組みの合同会議)を京都で開催して、日本技術士会と共同でホスト役を引き受けました。教育の強化を通じて技術者の実力を高め、産業技術力の人的基盤を強化したいという思いを共有する同志とともに、この道を歩んできたことに誇りを覚えております。

退任に当たり心残りなことは、技術者教育認定制度の社会的認知、産業界の認識向上が遅々として進まず、JABEE側の審査員、認定を受ける教育機関の教職員、さらには当事者である学生諸君の努力に応える成果rewardが見えにくい状況が続いていることにあります。

新しい会長として木村孟氏(前大学評価・学位授与機構長、文部科学省顧問)が就任されました。強力なリーダーのもとで、JABEEのプログラム認定を、 わが国の大学質保証システムの中に欠かせない要素として組み込むこと、さらには社会、特に産業界への認知度の向上が一段と進むことを期待してやみません。

1999年のJABEE創立以来、副会長として吉川会長をたすけ技術者教育プログラムの認定を確実に実施しつつワシントン協定加盟までこぎ着け た6年間、その後認定を拡大しつつ上記の成果を実現した会長としての4年間、あわせて10年間にわたりボランティア精神に溢れる同志とともに働いた喜びを 噛みしめております。その間、産学官すべてのセクターからいただいた熱いご支援に心から御礼申し上げます。これからは、JABEE顧問として過去を未来に つなぐ役を果たさせていただきます。

以上

  1. 2008年度までに、新規認定プログラムの総数は158教育機関で409プログラムに達し、認定プログラムの修了生は累計で9万5千人に達しました。対象 となるプログラムの約1/3が認定されたと推定しています。今後は、認定継続審査の割合が過半を占めるようになるでしょう。
  2. 2007,2008年度で4プログラム認定
  3. 2008年度で2プログラム認定
  4. Seoul Accord:Computing and IT related discipline の教育を対象とする相互承認の枠組み。2008年12月ソウルで調印され、加盟団体はJABEEを含む8認定機関。www.seoulaccord.com/
  5. 文部科学大臣から認証評価機関として認可されることが最終ステップ
  6. Network of Accreditation Bodies for Engineering Education in Asia:2007年8月マレーシアのペナン島で設立される。8ヶ国の認定機関と5ヶ国のPE団体が加盟して、認定制度と技術者教育の質向上のための意見 交換、相互理解・相互協力を進めている。http://www.jabee.org/OpenHomePage/nabeea.htm
  7. Washington Accord, Sydney Accord, Dublin Accord, APEC Engineer, IntPE (Engineers Mobility Forum), IntET (Engineering Technologists Mobility Forum) に関する会議の順次開催。